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「・・・ですね。航続距離から考えてトルエンヌ基地に帰投で間違いないハズです。」
「よし、監視を継続ーおいコレは!!」
「ADIZ(防空識別圏)に向かってアンノウン接近中!27000フィート、500ノット!!飛行進路はー」
ディスプレイに不明機進路の延長線が描写されたー。
「ノルトヴェルクのグールにSTBY発令ー!!」
プルルルルル・・・プルルルルル・・・
「「!?」」
アラートハンガー待機室に緊張が走った。当直に就いていた伍長が受話器を取る。
「はい、アラート待機室・・・・・・・・・スタンバイ!!!!」
スクランブル発令。だが、まだスタンバイだ。走って機体に向かうようなレベルではない。
「よっしゃ、乗り込むぞ」
「はい。」
二手に別れ、それぞれの機体が格納されているハンガーに向かう。
ドアを開くと、灰色の虎縞模様の愛機が鎮座している。主翼下に改修で積めるようになったAIM-120アムラーム中距離空対空ミサイルとR-73M3短距離空対空ミサイルをそれぞれ2発ずつ搭載している。左翼付け根の機関砲には150発の30ミリ機関砲弾が装填されているハズだ。
コックピット左に据え付けられたラダーを昇った先に、自らの命を閉じ込める棺の様な空間が有った。
シートに腰を下ろすと同時に整備員が登ってくる。手伝って貰いながらベルト装着。ラダーに掛けてあった、灰色のZsh-7ヘルメットを被った。
ーシステム系統オンー・・・
ファルクラムが目覚める。
通信機電源オン。
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