第2章 ティガー

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「・・・ですね。航続距離から考えてトルエンヌ基地に帰投で間違いないハズです。」 「よし、監視を継続ーおいコレは!!」 「ADIZ(防空識別圏)に向かってアンノウン接近中!27000フィート、500ノット!!飛行進路はー」  ディスプレイに不明機進路の延長線が描写されたー。 「ノルトヴェルクのグールにSTBY発令ー!!」  プルルルルル・・・プルルルルル・・・ 「「!?」」  アラートハンガー待機室に緊張が走った。当直に就いていた伍長が受話器を取る。 「はい、アラート待機室・・・・・・・・・スタンバイ!!!!」  スクランブル発令。だが、まだスタンバイだ。走って機体に向かうようなレベルではない。 「よっしゃ、乗り込むぞ」 「はい。」  二手に別れ、それぞれの機体が格納されているハンガーに向かう。  ドアを開くと、灰色の虎縞模様の愛機が鎮座している。主翼下に改修で積めるようになったAIM-120アムラーム中距離空対空ミサイルとR-73M3短距離空対空ミサイルをそれぞれ2発ずつ搭載している。左翼付け根の機関砲には150発の30ミリ機関砲弾が装填されているハズだ。  コックピット左に据え付けられたラダーを昇った先に、自らの命を閉じ込める棺の様な空間が有った。  シートに腰を下ろすと同時に整備員が登ってくる。手伝って貰いながらベルト装着。ラダーに掛けてあった、灰色のZsh-7ヘルメットを被った。  ーシステム系統オンー・・・  ファルクラムが目覚める。  通信機電源オン。
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