第8章 崩壊

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「…!!クルーズミサイル!!」 『カリブルNKだ。北部沿岸に向かってるぞ』  遥か下方の海面に何かが複数光って見えた。潜水艦発射型か。 『ティガー1、2。アレの撃墜は任せた。我々2機でステルスに対処する』 『ティガー1、ウィルコ』 『ツー』  ファルクラム2機がスプリットSで海面に向かって降下する。 『イルビス、3オクロック・ハイ』 「え?ー…!!」  何かが光った。 『ECMつけろ!!』  同時にガル機から強力なECM波が放出された。こちらもECMを起動する。  AWACSからこの空域に何かが飛んでるという報告は無い。であるならばー。 「タリー2!!タリー2!!」 『4だ。アイツら重なるように飛んでるぞ』  角度が変化したからか、太陽光に照らし出された光点が僅かに分離したように視えた。確かに4つ見える。アレは… 『タイドオンスコープ』 「こちらもタイドオン」  微弱ながらレーダーに目標が映った。レーダー上のシンボルは2つ。機体のRCS解析データが出た。 「バンディット、2シップス、S-70」 『オホートニクか。という事はもう2機は』 「恐らくSu-57です」  S-70オホートニクは遠隔で操作されるステルス無人機だ。通常ステルス戦闘機Su-57とタッグを組んで飛行するケースが多い。 「オホートニクまで30マイル。1機“貰い”ます。」 『ラジャー。FOX1』  ガルのF-15からスパローが放たれた。中るとは思ってない。こんな作戦、無茶にもほどがあるのだ。だが、相手の動きさえ狂わせれば少しは結果が変わるかも知れない。         
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