45人が本棚に入れています
本棚に追加
アレに比べりゃ、旧式だからな・・・・・・。
ディスプレイに目を落とす。こちらの編隊はレーダーを一切使用していない代わりに、データリンクから得た情報をフルに活用し、相手の方位、速度、高度を把握している。だが、機種は判別出来ていない。
「・・・・・・やべぇな」
仮に相手が中距離ミサイルを装備しているなら、既に射程内だ。防御処置手順を考えて居る時・・・
『クルィーク、アンノウン、OLSコンタクト』
「ラジャー。早いな」
イルビスのフランカーが、アンノウンの熱源を捉えた。性能に驚く。
迫る距離、まもなく旋回して、アンノウンの真横に並びたい。
「レフトターン・・・ナウ」
緩やかに左旋回に入る。アンノウン機の衝突防止灯の類いは見えない。最も、こちらも切っている。
ーヤツは何処に・・・・・・居た!
微かに星明りが途絶えたのを目視した。アンノウンより若干低空に居る。ディスプレイの表示をチラ見する。間違いない。
機種は何だ?まだ輪郭が良く見えー
『クルィーク、イーグルです』
「ーえ?」
突如イルビスが正体を告げた。
『F-15です。胴体下にAIM-120』
「り、了解。」
・・・F-15?ー良く見えたな。だが・・・
「近隣諸国にF-15って、有ったっけ・・・?」
無い。間違いない。1番近くでイギリス、レイクンヒース基地の在欧米軍のF-15だ。
アンノウン真横に着いた。輪郭が浮かび上がる。ーF-15だ。紛れもないF-15。祖国の防空の華でも有った翼。だが、国籍標識の類いは無いように見える。
「ーCCP(防空司令所)、グール01。アンノウン、1イーグル、ナショナリティアンノウン。これより警告に入る」
国際緊急周波数に合わせ、警告に入ろうとした。その時ー。
『その訛りー日本人か』
「!?」
最初のコメントを投稿しよう!