第2章 ティガー

24/30
前へ
/319ページ
次へ
「ー人間・・・・・・」  イルビスが呟くように言った。 「そう。人間だ。俺達と同じで、笑いもすれば、怒りもする。だがな、」  俺の言葉に、真剣な眼差しになる。 「命令次第で、向こうは俺達をー俺達の仲間を殺しにかかる。俺達は、それから守るために殺しにかかる。変な情は要らない。・・・・・・・・・でもまぁ、」  後ろに並ぶ彼女に振り返る。 「息抜きできるフライトも無いとな」 「ーはい。」  微かに微笑む彼女。 (・・・笑うところ、初めて見たけど結構・・・)  SIDE “ソーン” 「やっぱり少尉、笑顔可愛いですね~」  食堂の窓から2人を眺めながら、リュークがニヤける。 「やっぱりって、見たこと有るんかーい」 「えぇ。私やフランカーには。」  流石機付長。  「役得じゃん」 「お陰様で(ニッコリ)」  眼前の美少年が柔らかく笑う。それだけ信頼されていると言う事だろう。 (ふむ・・・・・・・・・)  ニヤニヤとした視線を向かいから感じた。 リューク。 「・・・何?」 「いずれソーンにも向けてくれる日が来ますよ。何時とは言えませんが。」 「ー何の話・・・」  訝しげな視線をくれてやる。 「さぁ、何でしょう?」  案の定、悪戯っぽい視線を返された。 「ふふっ・・・なんでも有りませんよ。ではお先に失礼します♪」  ・・・コイツはいつだってそうだ。こうして意味深に言い残し笑顔で去る。  不敵に笑うリュークを見送りつつ、ラザニアを口に運ぶ。 「・・・いずれ・・・ね。」  皿を重ね、返却口に急いだ。午後からまたフライトだ。  SIDE “クルィーク”  ー時刻、1700。国旗が降ろされていくのが窓から見える。ブリーフィングもとうに終わり、このまま行けば定時上がり確定だ。  旗が外され、折り畳まれる。2つ折になり、三角形に畳まれる。 「分隊前ぇえええ、進めッ!!」  旗衛隊が旗を持ち撤収する。 「ブレイクや!!気ぃつけてな!!」 「「「「お疲れ様でしたッー!!!!」」」」  今日は金曜日。休日を控えた各員のテンションは高い。 「っしゃぁあああ!!!!呑むぞぉおおお!!!!」 「Урааааааааааааа!!!!」        
/319ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加