第2章 ティガー

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 テンションヒートアップする翌日休日組と、それを白い目で見る翌日アラート待機組。それらを尻目に、イルビスに声を掛けた。 「イルビス、この後時間空いてる?」 「これがパブ・・・・・・初めて入りました。何だか落ち着かないです・・・」  ソワソワしてる様子のイルビス。確かに箱入り娘のお姫様のような雰囲気の彼女に飲み屋は似つかわしくはない。 「お前の歓迎会、バタバタしてて出来てなかったし、AR就任してからだいぶミッションこなしたしな。ちょっとしたお祝いだよ。先ずは・・・・・・マスター!いつもの3つ!!」 「イルビス、飲めるか?ってか年齢いくつだっけ?」 「17歳です。年齢的には大丈夫ですが、礼拝のワインぐらいしか飲んだことが無いので・・・・・・」  この国では、飲酒喫煙は16から許可される。 「ワインか・・・・・・」  ソーンが渋い顔をしながら腕を組む。 「まぁ、飲めなかったら無理すんな?」  そうこうしてる内にグラスが3つ置かれた。 「それでは、イルビスのAR就任を祝って、乾杯!!」  チンッ  グラスを叩き合わせ、酒を一気に流し込んだ。 「あ~効くぜッ!!」  真横でソーンが、引きつった表情でチビリチビリと飲んでいる。  イルビスは少し口に含むか躊躇ってるようだ。 「無理すんなよ。このジン、かなり度数高いから」  引きつった声のソーン。 「大丈夫です。挑戦してみます」  覚悟を決めたのか目を閉じ、グラスを口につけた。 「・・・・・・・・・んっ!」  一気に飲んだ。 「・・・・・・おい、イッキはマズイぞ。大丈夫か?」 「ー大丈夫です。味がちょっと慣れませんが」  いつも通りのポーカーフェイス。至って平然としている。   
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