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アルフィリオは非常に標高が高い山岳国家。その空を防衛するF/A-18乗り達は山岳における空戦のエキスパートだ。ましてや2対1。分が悪すぎる。
ソーン・・・・・・。
ディスプレイ越しとは言え、私が見る初めての実戦になる可能性が出てきた。当然戦闘になれば、死人が出る可能性が高い。何故なら今は・・・・・・
「戦時下・・・・・・」
言葉に出すと同時に悪寒が走った。本当に殺し合いに発展する可能性が充分にある事態なのだから・・・・・・。
SIDE “ソーン”
「ハッ・・・・・・・・・」
正面から2機が突っ込んでくる。既に向こうの中距離ミサイル・・・・・・AIM-120Cアムラームの射程内だ。同時にこちらも向こうを射程に捉えた。
・・・・・・・・・・・・?
既に急機動をしても回避出来るか解らない射程。だが撃ってくる気配は無い。レーダー波の照射こそされているものの、ロックオンされてはいない・・・・・・・・・いや、油断できない。
「データリンクで撃ってくる・・・・・・か?」
・・・・・・・・・いや、なら何故撃たない?
データリンクで指定されたポイントまで飛び、そこでアムラームを放って逃げれば、自ら電波を発せず攻撃、離脱が可能だ。
「向こうも考えていることは同じか・・・」
国境付近にこちらが進空してきたから、睨みを効かせるために上げたか。
「・・・・・・・・・・・・」
距離が更に詰まる。並走させるためか、一度大きく膨らむように右に旋回した後、斜め左から接近してきた。
国際緊急周波数に合わせた瞬間ー
『ーレイヴェン空軍機、聴こえるか?こちらアルフィリオ空軍。』
「・・・こちらレイヴェン公国空軍。」
『レイヴェン空軍機、貴機は我が国領空を侵犯した。我が誘導に従え。繰り返す・・・』
一方的な通告。だがここは・・・。
「こちらレイヴェン公国空軍機。ここは我が国領空。誘導に従うつもりは無い。そちらこそ退去しろ。さもなくばー」
言いかけた刹那
ヴォルルッ!!!!
左真横のF/A-18の機首から火炎と共に前方空間に向けて、ピンク色の筋が伸びた。
「ッ!?・・・警告射撃かよ!!」
20ミリ曳光弾。敵は機関砲を射撃した。
ヴォルルッ!!!!
さらにもう1連射。どうやら本気らしい。
「アックス02、交戦に入る!!」
スロットルを押し込み、スティングを手前に引いた。
頭上から重圧が押さえ付けてくる。
急激に跳ね上がるGメーターとAOA。2機のF/A-18・・・ホーネットが喰らいついてきた。
ピッピッピッピッピッピッピッ・・・・・・
ロックされた。
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