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急いで応援席に戻るとスコアボードが 「点、はいっちゃったよ」 チューバの鈴木君がぽつりと言った。 いままで0-0で何とか持っていたのにいきなり3点。  なんとここの回はもたせたようだ。野球のことは知らない。 吹奏楽部だけのこと考えると応援なんてとおもうこともあった。  けど、野球部の女子マネージャーの姿をみていると、どうもそれだけとはおもえんのだ。  せめて一転でもいいから、点を取ってくれ。  そんな願いもかなわず迎えるこの回。ここで点をとらないとコールドゲームになる。 後ろのチューバチューバの鈴木君が 「制限、解除っだな」 かちやかちゃとなにやら楽器につけ始めた 「ふふふ、こんなこともあろうかとストラップを自作したのだよ」 そういうと彼はチューバをもって立ち始めた。 女子マネージャーが叫んでいる。 チューバが最後の力を出して立って音を出し始めているる 私も、もちろんつづく。 音が、ひずんでいるかもしれない。 けど願うことはこの時ただ一つ。 たのむ点を取ってくれ。 「カーーン」 「ぉっおおー」 次の瞬間 「ぱしゅっ」 「あっあああーーっ」 「だめかぁ」 いろんな声が沸き立つ。 それと同時にサイレンの音 試合終了の音。コールドゲーム。 相手校が、校歌を歌っている。 そして     
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