真夜中のそぞろ歩きにて

3/4
前へ
/4ページ
次へ
「会話?付き合ってくれるの?」 「嫌じゃ、ボケ!」 付き合うの意味が絶対に違うよなと、榛名は大絶叫だ。それがより、揶揄いたくなると、彼はまだ気付けないのだ。死神なのに。 「まったく。それじゃあ、天牙に報告するしかないな~。僕の言うこと何も聞いてくれないし」 「ぬぐっ」 これも毎度お決まりのパターンなのだが、榛名は本気で困るから面白い。まぁ、報告されると困るのは事実だから、本気にするのだろう。 天牙の本性は閻魔大王。勝手に輪廻を弄ったとなれば、どんな報復があるか、解ったものではない。 「さっ。血をちょ~だい。精液でもいいよ。満月で力が滾ってるから、問題ないよね」 にこっと笑う影山に、榛名は変態ともう一度毒づく。こいつ、鬼は鬼でも吸血鬼じゃないのか。そんな疑問も過る。が、血以外も求めてくるから問題だ。 「ほらよ」 榛名は仕方ないと、腕捲りをして差し出した。どうして人間以外の体液でもエネルギーに変えられるのか、それが謎だ。が、影山の力が回復するのは間違いない。 「ちぇっ。血の方か。何時になったら、精液をくれるのかな?」 腕を舐めながらそんなことを言うので、榛名は鳥肌が立つ。マジでヤバい。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加