1人が本棚に入れています
本棚に追加
月見の祈り、再会の約束。
俺は神様なんて存在は信じていない。
占いのような迷信なんて大嫌いだ。
生まれた時から病気という名の時限爆弾を抱えている俺にとって、そういったものは酷く残酷な物に感じる。
何が「信じれば救われる」だ。
救えるものなら、救ってみろよ。
俺の友人は最期までお前達を信じていたぞ。
死んだ後に救いの手を差し伸べるなんて、随分都合のいい話だな?意味無いだろ?友人は「今」を生きたがっていたのだから。
大体、そんなもので救われるのなら世界はとっくに楽園となっているだろう。むしろ、そういう思想の違いから戦争に繋がってる国もあるじゃないか。
本当に馬鹿馬鹿しい。
故に俺は神様なんて存在は信じていないし、占いみたいな迷信なんて大嫌いだ。
どうせいつかは死ぬんだ、そんなものに寄りかかって生きるなんて虚しいだけ、そう思っていた。
そう思っていた・・・筈だった。
なのに、そんな俺が、一度だけ、そうたった一度だけ、祈った事がある。無駄だとわかっているのに、とっくに諦めていたのに・・・。
それもこれも、全ては彼奴のせいだ。
あの日、彼奴があんな事を言うから・・・。
あの日、あの無駄に綺麗な満月の夜。
俺はーーーーーーーー。
最初のコメントを投稿しよう!