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「ねぇ、刀夜。聞いて聞いて!今日ね、ロビーで面 白い本を見つけたんだよ!それでね!・・。」
現在深夜12時を過ぎた頃の病院。
薬の匂いが漂う病室で隣のベッドから元気に話しかけてくる少女に俺はため息を溢した。
「お前な、もう少し声を抑えろ。今何時だと思って んだよ。」
「あっ、ごめん。・・・でもこの部屋私達二人だけ だし別に良くない?」
「良いわけあるか。防音はしてるだろうが万一隣の 部屋に聞こえたら迷惑だろうが。っというか俺が 迷惑してるわ。もういい加減寝ろよ・・・。」
「えぇ~?そんな事言わずに喋ろうよ~?せっかく 同じ病室にして貰ったんだからさ~。」
少女は不満そうに頬を膨らませ抗議してくる。
あぁ、めんどくさい・・・。
全く医者も親達もなんて事をしてくれたもんだ。
本来なら男女別の筈の病室に俺達二人を放り込むとは。普通ではあり得ないぞこんなの。
これじゃ逆に俺の精神の負担が・・・。
「ねぇ、刀夜、少しだけ?ね、少しだけだ」
「やめろ、それ以上言うな。」
「えー、何で何で?」
こいつは・・・。
もういい、放っとこう。
「あれ?刀夜?おーい?」
俺の精神はいつまで持つだろうか・・・。
こいつは昔から俺の調子を狂わせる。
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