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「ねえ、刀夜ってばぁ~、夕方あんなに寝てたんだから少しくらい相手してくれてもいいんじゃい?」
少女は黙り込んだ俺に更に声をかける。
「うるさいな、今日は治療を受けてまだ身体がうまく動かせないくらい弱ってんだ。勘弁してくれ。」
本当勘弁して欲しい。痛む頭に顔をしかめていると何やら少女が悪い顔をしている。
「へぇ~、刀夜、動けないんだ?へぇ~?」
おい待て、何だその嫌な喋り方は。
おい待て、何故ベッドから降りてやがる。
「刀夜が相手してくれないなら~、私、刀夜に悪戯しちゃおうかな~!」
「病人になにをする気だこの変態、さっさとベッドに戻れ、さもなくばナースコールを鳴らすぞ?」
俺はボタンを片手にニヤリと笑う。
こんな理由で使うのは非常に申し訳ないのだが、こいつもこう言えば大人しく・・・。
「鳴らせば?」
「えっ・・・?」
「もし刀夜がコール鳴らしたら私、服脱いで刀夜のベッドに飛び乗るから。」
「ハアァ!!??」
「そしてそれを見た看護婦さんはどんな反応するかなぁ?楽しみだなぁ?」
こいつ・・・・っ!?もうそこまで病状が悪化したのか!?・・・いや、こいつの事だ、からかっているだけだろう。そうに違いない。
「はっ!そんな脅しで俺が怯むとでも?出来もしない事いいやがって、やれるもんならやって・・・待て!?俺が悪かった!謝る!話し相手にもなろう!だからその緩めた病衣を早く直せ!!」
「うんうん、わかればよろしい♪」
甘かった、こいつはこういう奴だった。
躊躇なく病衣の紐を解きやがった。
嬉しそうに笑って紐を結び直し、少女はベッドに戻る。
「さぁ!続きを話そうか!・・・あれ?なんの話してたっけ?」
「お前な・・・。」
ベッドに横になりウンウン唸り出した少女に俺は再びため息をつく。
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