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何処だ・・・此処は。
何も見えない、何も聞こえない。
身体は・・・あるな。あれ?普通に動く?頭も痛くない?
俺、死んだんだよな?ハハッ、死んだからあの呪いみたいな病気ともおさらばできたのか。
と言うことは、此処は俗にいう地獄?
天国ではないだろう、俺、神様信じてなかったし。
「残念、どちらも違うんだなぁ、これが。」
「!?おま、響夜!!響夜なのか!?」
俺と同じ病気を持ち、俺より早くに死んだ友人が突然現れ目を見開く。
「おう、どうだ?大親友との再会に感極まったか?」
「あっ、悪い・・・、そこまでは・・な。」
「オォイ!?そんな申し訳なさそうな顔すんな!本気に聞こえるだろ!!?」
「何言ってるんだよ、俺達親友だろ?俺がお前に嘘をつくはず無いじゃないか。」
「刀夜・・・って違う!!てめぇそれらしいこと言ってくれたと思ったらさっきのセリフ全面的に肯定してんじゃねぇか!!」
「まぁ、落ち着けよ。禿げるぞ?」
「禿げねぇよ!?・・・たく、いい加減にしろよな。」
「悪い・・・、禿げはお前には禁句だったか。」
「そこじゃねぇから!まだ18でフサフサだから!!いい加減にするのはお前のその強がりの事だ!さっきからずっと泣くのを我慢してるくせに!」
「!?お前何で・・・、そういや最初の時も・・お前俺の考えてる事を・・・?」
「まぁ、細かい説明は後だ。ちょっと事情があって俺がまずお前にコンタクトをとる羽目になったが、お前にはまず、やる事があるだろ?」
「はっ?」
「もう来たみたいだし邪魔者は退散させて貰う。じゃな、ヒュン。」
「はぁ!消えっ!!??おい響夜!!」
突然響夜が姿を消し、再び何も見えない空間に戻る。
「ふざけるな響夜!!説明しろよ!おい!!??」
ただひたすらに何も無い空間で叫び続けるが、
あの野郎返事をしない。
くそっ、変に強がって下らない話をするんじゃなかった。
こうなれば奴のとんでもない秘密を叫ぶしか・・・。
「いいか!よく聞けよ響夜!!俺は知ってるんだぞ、お前が実はーーー」
ギュッ・・・。
やけになった俺が友人の秘密を叫ぼうとすると、温かくて柔らかい何かが俺を後ろから力強く抱き締めてきた。
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