『マドンナ』

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『マドンナ』

 母校の図書館に立ち寄った。教師の間で争奪戦が繰り広げられていたという司書のマドンナ(※1)は、とうに人妻となり、圧倒されるほど元気な女性が後任となっていた。     お堅い本も増えていたが、購入して欲しい本のアンケートを取ると「ライトノベル」が人気らしい。同じ作家の本でも絵師(※2)で評価が変わるという。 (※1)私の表現が古いわけではない。後任の司書がそう言ったのだ。確かに見栄えもよく、優しい人であった。  マンガを描くのに欲しい風景があったとき、ここにはないからと、個人的に持っていた写真集を2冊貸してくれたことを覚えている。 (※2)……と呼ぶそうだ。
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