『GAPへGO』 ――近況のようなもの――

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『GAPへGO』 ――近況のようなもの――

相変わらずの休日出勤である。この後も2週間ほど休めそうにない。早めに切り上げて、電車に乗る。4月半ばだと言うのに冷房が入っている。 駅を降りてGAPに向かう。先日の休みに23,000円のコートが6,990円になっていたことを思い出したのである。色は良いがサイズが大きかったので、あきらめたものの、今、身に着けているバーゲン品のコートのてかてかと光る袖口が「買っといたほうがいいんじゃないか?」と後押しするのである。 とはいえ、さすがに残っていないだろうと思っていた。が、それはあった。なんと「2,990」円である。レジに持っていくと、さらに30%引きだという。結局、「税込2,093円」であった。セーターも「1,990」円から、さらに30%引きとなっていた。 そういえば、以前、ここだったか、別のショッピングセンターだかのマネージャーか副館長が「GAPはすぐに50%引きにするからお客さんが値引き待ちをする」と言っていたことを思い出した。 普段GAPを覗くことはない。対象が若者向きと言うこともあるが、ユニクロの処分品の500円のコットンパンツを7本まとめ買いするような稼ぎの悪い男にとっては敷居が高いのである。その時、GAPに寄ったのも散髪から帰ろうとして階段を降りた際に本日50%OFFの看板を見たからである。1,080円の散髪屋である。 なんにしても安い物は好きである。子どもたちが小さい頃には、わたしが何か買って帰ると「安かったの?」と聞いてきたものだ。いつも「安かった」と自慢していたからである。 ちなみに4,980円のスーツは4着持っている。9,980円のスーツも2着持っているが、これはオンワードなので元値はもっとするのであろう。かつて国産であったスーツは安くても40,000円はした。夢のような値段である。 スーツは作業着、コートは防寒着と割り切っているので贅沢をいうつもりはない。金は言うまでもなく休みもないのでプライベートな服もたいして必要ではない。とはいえ、編み込まれた毛が抜けてしまった30年前のセーターを着続けるわけにもいかない。 ユニクロがたいした処分品価格を出さない今、GAPは救いの神である。若者向きであることは承知のうえで、たまには足を運ぼうと思う。
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