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帰還
寄り添っていた鬼から
冷たい雫がつたい我にかえる
いつかまた真実を伝えたいと音が響く
辛いならここにと問われた
この人はずっと待っている
あちらの寄り添う梅の木がいつか桜に届くまで
鬼は誰だろう
彼は盃をまたあげ半ば晒された
大切なものを守れなかった
己の世界しか知らなかったからこその後悔の涙で濡れるほほ
わたしは現実に帰る決心をした
こちらの梅の木がいつか桜の木に届くまで
見届けたい
本当の鬼はたくさんいる
人は弱い
わたしも例外ではない
絶句した光景が眼下に残ったまま夢から覚めた
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