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正門を通過し校舎の入り口に向かうと、同じ制服を着てる男女ペアが立っていた。十中八九先輩だろうが、新入生を誘導する為にいるのだろうと思い、俺は校舎の入り口に向かって歩いていく。男女ペアに距離が縮まっていくと、声を発した。
「新入生のみなさーん!おはようございます!入り口はこちらでーす!」
やはり誘導係の先輩だった。今の言葉は俺単体にというよりは、後ろにも何人か新入生と思わしき人達がいたので、全体にかけた言葉であったのだろう。校舎の入り口を前に、誘導係の先輩から今日一日のスケジュールが書かれた紙を受け取った。
大雑把に見てみると、入学式や資料の配布などの予定と時間が記載されていた。後で自分の教室で見ればいいと思い、渡されたスケジュール表を鞄にしまう。自分の名前が書かれた下駄箱を見つけ、上履きに履き替えてから自分の教室に向かう。
少し廊下を歩きながらふと思ったのが、外見と同等に中も綺麗な事だ。掃除は徹底的にされているような感じだ。やはりよく見ないと分からない程の汚れでしかない。感心感心と心の中で思いつつ、自分の教室へ向かう。
「(確か一年の教室は二階だったよなー)」と、俺は心の中で呟く。
階段を見つけ、一段一段歩いて登っていく。この階段を一段ずつ登っていくにつれ、俺は緊張と興奮が増してくるのを感じた。どんな人達と出会えるのだろう、どんな生活が待っているのだろう、友達出来るだろうか、可愛い子いるだろうか、といった無意識な妄想が膨れ上がっているからだろう。階段を上り終え、少し曲がった先に、教室はあった。ドアの上には横向きの札で、「一年生」と書かれていた。
「(あれ?普通1-Aとか1-1じゃね?)」と、即座に反応する。一クラスしかないという事だろうか。俺は特に気にする事なく、教室のドアに手をかけ、ゆっっくりと静かに開けた。
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