第2章 クラスメイト

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「(あー、俺の高校生活大丈夫かなー)」と不安になる。賑やかな会話を聞いていると余計に不安を感じてしまう。皆知り合いなのか、コミュ力高いのか分からないけど、賑やかである以上、少なくとも友人に近い、または友人である事に違いない関係になっているだろう。俺が寝ている体勢だから周りは気を遣って話しかけるのを控えているのだろうか?そうだとしたら俺は既に過ちを犯している事になる。だが、今身体を起こしてもこちちから話しかけられない事は変わりはないし、何よりする事がない。精々携帯を弄る程度しかない。 「('新高校生活、いきなりの印象が一人で携帯を弄ってる姿は個人的には感心しないなー。...あれ?てか寝てる姿もやってる事大して変わらなくね?)」 ......オワタ 俺の高校生活、ラッキーと同時に、アンラッキーのスタートであった事をお詫び訂正します。 ~数分経過~ もう皆は察しているだろうが、俺は今も賑やかな教室の中で一人で寝ている(フリ)。もう知り合いとは出会えないと諦めていた俺は、もう寝る事にした(本気)。ずっと話しかけて貰える事を期待をして待つのも疲れたからだ。 「(まあ、何とかなるでしょ!)」 と開き直った考えをした後、俺は眠りに入る。 眠りに入ったとほぼ同時に、新たに教室のドアが開いた音がした。すると、さっきまで賑やかだった教室が少し静かになった事に気付いた。 「(ん?何だ?)」とうつ伏せ状態でいる俺は何が起こったのか分からない。微かに聞こえた会話からは、「あの子可愛くない?」、「肌しろ~い」、「めっちゃ美少女じゃん!」といった絶賛の声が上がっていた。さすがに気になった俺は、さっきも使った薄横目戦法で確認する。
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