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マリはユウキに手を貸してもらい、いつもの公園までやってきた。
ユウキが自販機で買ってきた暖かいお茶を渡されて、
マリはようやく少しだけ酔いが冷めてきた。
「ユウキ君、ありがとう。」
「そんな、お茶くらいご馳走しますよ!」
「お茶もだけど、駅まで、来てくれたこと…。
あの…」
「マリさん、
今日はたくさん飲んでるし、
早く帰って寝ましょう。」
マリの言葉を遮るように、
ユウキは立ち上がった。
「あの、ユウキ君!」
マリはユウキの上着の裾を掴み、
歩き出そうとするユウキを止めた。
「もっと、一緒にいたいの…」
俯いて耳を赤く染めたマリ。
思わずユウキは背を向けて、ニヤリと笑った。
“完全に信じている、今なら…”
「…じゃあ、僕の部屋、来ますか?」
マリは嬉しそうにユウキの上着を掴んだまま、
後ろを歩き出した。
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