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店を出てしばらく歩くと、マリは後ろに誰かの気配を感じた。
大通りから家の方角に向かう細い道に曲がっても、
背後の気配は消えない。
確実に同じ方向に向かっているか、
マリを追っている。
マリはわざと、見晴らしの良い広場のある公園に立ち寄った。
照明で明るいその公園は、深夜でもジョギングをする人がちらほらいたからだ。
“ストーカーか変質者なら、
人目に着くところまでは追ってこないだろう”
家まで追って来られるのも怖かったので、
少しの間ジョギングしている人を眺めながら、
コンビニで買ったアイスを食べていた。
すると後ろから、
「橘さん?」
急に声を掛けられ、慌ててアイスを落としそうになった。
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