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「アシュラよりディーヴァへ。ギリメカラ隊の守備隊形はどうか」  俺はインカムに向かって静かに言った。互いの呼び出しはコールサインで行われる。 〈ああ、しっかりスクラム組んでるそうだ〉  隊長機からの応答があった。ギリメカラのドン亀どもめ、仲間とつるんで震えてろ。 「了解」  俺たち機甲猟兵隊の駆る機動性の高い汎用型パワードアーマー『ドゥルガー』に対して、『ギリメカラ』は重装歩兵型パワードアーマーで、奔流となって襲ってくるサラマンダーを押しとどめるダムの役割を果たす。  アメリカンフットボールの守備を思い浮かべると分かりやすいだろう。ギリメカラはずらりと並んだディフェンスタックル、ドゥルガーは散開して高地に陣取り、背後のフリーセーフティーの位置から相手のクォーターバックを狙撃する。  リーダー、つまり『頭』を潰して相手を烏合の衆にするのが機甲猟兵隊の任務だ。
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