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さらに、数百匹の群れで行動するサラマンダーの中に群れを統率するリーダーが存在することも判明した。  サラマンダーはリーダーの指揮により、集団行動をとることができる。例えば、守備の堅いところを迂回して攻撃する、リーダーを護衛するなどの行動だ。しかし、リーダーを失うとそれらの戦術は失われ、単なる暴走する獣の集団になった。とはいえ、相手は燃え盛る巨獣である。それでも凄まじい脅威には違いないのだが……。  初期の対抗手段は航空爆撃だった。しかし、爆撃は熱に強いサラマンダーには効果が薄く、付近の施設や巻き添えを食らう人的損害がバカにならない。  そこで、植民地惑星の開拓に用いられていた重作業用宇宙服に装甲を施し、戦闘向けに転用したパワードアーマーの運用が考案された。銃器や近接武器による白兵戦闘も含む戦いによる各個撃破。  人類は百年以上前の戦術に回帰することを強いられたのだ。
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