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去っていく後ろ姿を見送って、加賀美は心の中で首を傾げていた。
一体何がお気に召したのか、どうやら自分は誘われたらしい。
また後でと言われたが、こういう場でのルールを知らない。
…いいか、成り行き任せで。
気が変わってパーティの間に別の相手を見つけるかも知れないし、誘いに乗ったかどうか自分でも定かではない。
返事は何もしていないのだ。
断られるとは露ほども思っていない傲慢な態度がなぜか嫌ではなかった。
でもねえ、俺はそんなに簡単じゃないよ?
ああいう男を振り回すのも楽しいかもしれない。
少なくとも顔と体は申し分なかった。
スーツの下の裸を妄想するくらいには好みの男だ。
目の前に青いドレスの金髪美人が立ち、ブロッコリーと真鯛をオーダーする。鮮やかなグリーンのブロッコリーを手に取りながら、加賀美はうっすら笑みを浮かべた。
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