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「あ、えと。ちゃんと聞いたことなかったし。」
「ははっ!じゃあ咲結は?」
「私は、大工さんしてる朔也くんに会って、お仕事に一生懸命な姿見て、私が大変な時助けてくれて…だんだんと…」
「………。じゃあ俺のが先だな!」
「…………えっ!?」
「いつか教えてやるよ!」
「それなら今…」
「ひみつ~!」
そう言うと、彼は姿勢を低くして、覗き込むようにそっと私にキスをした。
私は恥ずかしくなって、そのまま俯く。
「咲結、これからもよろしくな!」
その声色から、朔也くんが子どものように笑っている顔が目に浮かんだ。
「こちらこそ…」
私は、きゅっと彼の手を握り返した。
朔也くんとの2度目のキス。
そして、彼氏とのファーストキス。
それは、心がくすぐったくて、暖かくて、とても幸せな気持ちになるものだった。
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