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1.プロローグ
「こんにちはー!お疲れ様ですー!この家の娘ですが、差し入れを持ってきました!」
暖かな太陽が気持ちの良い土曜日の朝。
私はスポーツ飲料のペットボトルが詰まった箱をなんとか抱えて、上棟したばかりで建築中の我が家の前にやってきた。
「あ、はーい、どうぞ!」
若い男性の返事が聞こえ、すぐに奥からその声の主が現れた。
「…………。」
「…………。」
お互い目を合わせたまま、首を傾げる。
「春山さん?」
「成瀬くん?」
目の前に現れたのは、同じクラスで、私の苦手なイケメン男子だった。
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