第一章 女神さまとのご対面

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 「言葉が合っているのかはわかりませんが、俺は自分勝手ではなく、我がままに生きたんです」  俺の中で「自分勝手」は周りの迷惑も考えず、自分の都合にいい身勝手な行動をする事で、「我がまま」はありのままの自分で生きる。周りに流されず、自分の信念を貫く生き方をする事だと思っている。聞く人によっては同じではと思うかも知れないが、俺の中では、この二つには天と地ほどの違いがある。  説明が下手ながらも、ぽつぽつと言葉をつむぎ、女神さまに伝えていった。今まで思ってはいても言葉に出せなかった思いを。心から渇望する願いを。この女神さまならバカにせずに聞いてくれると思ったから。  だから、どんなに時間が掛かろうとも話し続けた。これだけは誤解されたくはなかったから。  別に願いを叶えてほしい訳ではない。ただ聞いてほしかった。聞いてくれるだけでよかった。自分のありのままの思いを。ずっと押さえてきた気持ちを。  ─── 2 ───  かれこれ15分ほどかけて、なんとか説明ができた。できた気がする。できてたらいいな~。  「ふふふっ」  ?????  急に女神さまが笑い出したことに俺は戸惑ってしまった。  俺何か面白いこと言った?  「すみません。実はあなたの思いはすでに知っていました」  「は? へ? どーゆうこと?」     
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