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…………………──────。
女神さまが黙ってしまった。
どうやら、あまりにもストレート過ぎるお願いに引いているみたいだ。
「……えーっと、ここまでストレート過ぎるお願いを言われたのは初めてです」
ですよねー。自分でも分かってはいたが、やはり新たな人生を異世界で過ごせるのであれば、魔法だって使いたいし、それこそすぐに死んでしまいたくない。
前世が散々だったからこそ、次があるのなら、多少はちゃんと生きていきたいと思う。
「ふふっ。まぁ良いでしょう。あなたには特別な力を与えます」
「え!? 本当にいいんですか? 自分で言っといてなんですが、スゲー図々しいお願いですよ?」
まさか女神さまから承諾が得られるとは思っておらず、ひどく焦ってしまった。
「元より、あなたが異世界行きを希望した際には、力を与える予定でしたが、自らの言葉で思いを伝えたこと、そして先ほどお話ししてくれた『我がままに生きる』ことの実質的な第一歩が見られたという事で、ちょっぴりおまけしてあげます♪」
そう言った女神さまの声は、とても楽しそうだった。
─── 3 ───
「では、三つの中から好きなものを一つ選びなさい。それがあなたの力になるでしょう」
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