プロローグ

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 すぐさま先生たちが止めに入ろうと屋上へ来たが、扉の前のバリケードのおかげで、中までは入っては来られない。  俺をいじめていた奴らは、進学先にも伝えてある事を話すと、激怒して「死ね」だの「殺す」だのと言っていたが、ライブ配信もしている事を伝えると青ざめていた。この時の表情は今思い出しても滑稽で笑えてくる。  そして、我が子がいかに卑劣ないじめをしていたのかを知って、その両親や家族も青ざめたり、泣き出したりしていた。中には「うちの子の人生をどうしてくれるんだっ!」と怒鳴ってくる親もいた。あの親にしてこの子ありとはよく言ったものだ。  その段階では誰も俺が本当に自殺をするとは思っていなかったのだろう。  全てを話し終え、ライブ中継を見ていた視聴者に、今後俺みたいにいじめが原因で自殺しようとする人が出ない様に、いじめが無くなりはしないだろうが、少しでも減ることを祈っているという事を伝え、拡散をしてもらえるように頼んでから、  ついに俺は、屋上から…………身を投げた。  飛んだ直後はしんと静まりかえったが、すぐに悲鳴が聞こえてきた。     
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