第三章 魔法の練習は前途多難?

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 「はい。そうなんです。実は──」  シャルとシュエが、昨日上手くいかず悩んでいた時に、俺のしたアドバイスが自分たちを急成長させてと、興奮気味に話していた。  俺からすれば、ただなんとなく思ったことを言っただけなのだから、そんなに持ち上げないでほしい。だって俺自身はなんの成長もしてないのだから、聞いてて落ち込んでくる。  俺、そんなに凄い奴じゃないよ?  「なるほど、確かにユウトさんのアドバイスは的確ですね。本来であれば、長い修練の中で、自分で気づいていくものですが、他の人の魔法を見ただけで、その改良点をすぐさま見い出せるのはすごい事です」  シャル母からも称賛され、益々居たたまれない思いになってきた。  「いいですか? 二人が覚えたものは本来であれば、魔法学園に入り、卒業までに身に着ければ上出来と呼べるものです。それを入学前にすでに取得できたのは素晴らしいことですが、これに驕らず、もっと精進をしなさいね」  「「はい!」」  「よろしい。では今日からは、他の魔法でも応用できないかの模索と、魔力量を増やすためのトレーニングに移りなさい」  「はい! それじゃあシュエ行こっ」  「うん。もっともっと特訓して、二人で強くなろうね」     
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