第三章 魔法の練習は前途多難?

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 二人は笑顔でかけて行った。その様子はやはり9歳の子どもなんだな~っと微笑ましく見ていたら、  「それではユウトさんの成果を見せていただいてよよろしいですか?」  シャル母からそう言われ、俺は暗記した全属性の初級魔法の詠唱おこなった。しかし、何一つ発動するものは無かった…………。  「…………………………」  「…………………………」  「え~っと、まぁ適性があったとしても、いきなり発動するとは限りませんよ? ですので、これから少しずつやっていきましょうね?」  苦笑いが隠せてないですよ……。  それから20日間、詠唱の暗記や魔法使いの歴史、この世界の事を学んだり、実際に魔法を見せてもらったりなどしながら、魔法に関するさまざまな特訓をシャル母から学んだ。  だが、俺が出来たのは、始めに覚えた魔力を出すという事だけだった……。  シャル母は『まっ、まぁ人それぞれ得意不得意はあって当然よね。きっといつかできる様になるわよ…おほほほほ……』と空笑いをしていた。  だが、確証は無いが、もしかして? と思えるものが俺の中で出来始めていたのだ。  今日はシャル母に一人で考える時間がほしいと伝えると、シャル母も、俺が悩み落ち込んでいると思ったらしく、すんなりと休みをくれた。     
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