ホームレス

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ホームレス

 俺が彼に出会ったのは、帰宅道でのことである。  俺は昼を過ぎてから仕事のために家を出る。駅を二三過ぎると仕事場に到着する。俺の仕事は出来高制で、仕事が終った者から帰宅を許されている。しかし俺は楽しみながら仕事をするというポリシーを持っており、それを歪めるとなかなか寝付けなかった。なので俺は町の風景や、新しくできた店に立ち寄ったり、人気のスポットに足を運んだり。と自由気ままに歩き回り、そしてようやく夜の六時過ぎから本腰を入れる。仕事時間の半分を遊びに利用してしまっていることから、時折帰宅が遅くなった。平均的に十一時前後に帰宅するのだが、遅いときは夜中の十二時を回った。そしてその、真夜中を迎えた日には決まって帰路にその男がいた。
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