第一巻 山賊と呼ばれた男

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第一巻 山賊と呼ばれた男

 刀は武士の魂……  否。それはごくごく新しい頃からのこと――江戸時代以降の話である。  戦国の世にあって武士の表道具といえば槍であったし、それよりさらに以前、源平・鎌倉の時代においては武家を「弓馬の家」と云い表すが如く、武士に最も必要とされたのは弓の腕と、加えて馬を自在に乗りこなす技術であった。  これは、そんな武士の魂が刀でも槍でもなく、弓であった頃の物語である……。
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