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秋の日暮れは早い。そして寒い。それでも人懐っこそうに微笑む、夕焼けのオレンジ色に染まったこの男はハルマと言った。
「あなたの名前は?」
「ちまこ」
「それってあだ名?苗字?名前?」
「別になんでもでもよくね?」
初対面の男に思わず名前を教えてしまって内心焦ったけど、まあ別にいい。それより一人の時間を敢えて邪魔され続ける気はないし、チーズケーキも食い終わったし帰ろう。
「帰っちゃうの?お茶しに行かない?」
「いや、遠慮しとく」
「ふーん。で、結局あなたゲイなの?」
「たぶんね。知らんけど」
ゲイかと真正面から聞かれたのは初めてで、それを否定しなかったのも初めてだった。
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