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「!!!!?ソウタ!?」
二歳年下の幼馴染み、小寺爽太だった。
鼻の頭を赤く染め、僅かに震える肩から随分と長い事待っていたのがうかがえる。
「ーーお……っ前、なにしてんだよ!!」
驚いて仰け反っていた体勢を元に戻し、抱きつくソウタを引き剥がす。
「テッちゃんを待ってたんだよー!今日バイトだなんて知らなかったんだよぉぉぉ!!」
泣きそうな声を出し、またも抱きついてこようとするソウタの纏う空気は、ひんやりと冷たい。
「……で?どうしたんだよ、いったい。」
「あのさ!えっと!作ったんだよ!出来たの!かっけーの!それで―――。」
「うん。わかった。
わかったから、とりあえず落ち着け。話が見えん。」
要点もなく一気に話し始めたソウタは、俺の言葉にハッとすると何かを思い出したのか、ポンと軽く手を叩き、ショルダーバッグをガサゴソと漁り始めた。
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