奏でるは秘密の鼓動

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気持ちを落ち着かせ、ソウタ見れば、待て!を食らったかのように俺の次の行動をうかがっている。 ーーあぁ、もう!!その目!! 上目遣いとかやめてくれ!! 俺は思わずソウタの頭を両手でわしゃわしゃと撫で回す。 ……コイツを好きだと自覚したのはいつだっただろうか。 ソウタの無邪気さにこうして何度も揺さぶられ……お前は特別なんだってーー好きなんだって。 でも『男が男を?』なんて引かれるのが……怖くてーー言えない苦しさを誤魔化すようにソウタを撫で続けた。 「やーめーろー!!」 勢いよく俺の手から逃げられた。 なんだよ。 そんな思いっきり逃げんなよ。 ちょっと傷つくぞー。 勝手にイジけていると、ソウタはイヤホンを取り出し準備を始めていて。 ん?ちょっと待て。ここで聞く気か?! 「ストップ。ここじゃ寒ぃよ。」 「えー。早く聴いて欲しいのにー!!」 「うるせー!おい。鼻水垂れてんぞ、お前。」 「ん?あっれー?ホントだー。」 気付いてなかったのかよ! 軽く鼻をすすったソウタは、にへらっと笑った。
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