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(miya side-5) 披露宴は、まぁ、とどこおりなく進んだ。 で、時間どおりに終わった。 21歳という若さで落ち着き先を見つけたシバ。 やつの神妙な顔を見るのは面白かったし。 奥さんになる人がたぶんシバを尻に敷くんだろう。 という想像に笑みが浮かんだ。 さて。 二次会は悪いけど出られないよ。 って幹ちゃんとシバにはことわってあるから。 そろそろ帰ろう。 会場から出ようとしたら。 来たときと同じ扉から出たところに、 あいつがいた。 さっきロビーにいて後から式場に入ってきたやつ。 信じられないことに。 目がちょっと赤くて。 友達何人かとけっこう大きな声で、 「感動した!」みたいなことを言い合ってる。 面白い。 さっきは避けようとしたけど、ちょっと面白そう。 結婚式で、身内でもないのに感動できるなんて。 どんなやつか、興味が湧いた。 「あいつ誰?」 横にいた幹ちゃんに聞くと。 マサルの野球部のやつかな。 というはっきりしない答え。 ふぅん。やっぱり野球してたんだ。 関わるべきか、どうか。 迷ったのはごく一瞬で、好奇心に負けた。 シバに聞いてみよう。
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