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「なんだそれ」
シバが変わんないなぁ、って呆れ顔をしたあと、
思い出したみたいに付け加えた。
「…あ、そうだ。あいつだよ。例の」
「例の?」
お前が怪我して入院したときに、話したやつ。
変わったこというやつがいるって言っただろ。
シバの声が、エコーがかって聞こえた。
---やっと会えた。
「あいつも、今日は二次会出れないって言ってたから。帰るんじゃね。確か同じ方向だよ、関西」
あとはもう、
ほとんどシバの声なんて聞こえてなかった。
やっと会えた、例のあいつを、
なんとかして引き留めないと。
いや、そこまではしなくても。
帰ってしまう前に、一言でも話をしないと。
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