第三章 彼女を追いかけるもの

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「すげー、バッチしじゃん」 「田中さん、これやーさんすか?」 「うん、これ見てくれ」 その写真には、組の名前と、会社の大きな看板 「部長、前の調査書見せてください」 今日は俺の部屋にみんな集まってもらった、そう、彼達に俺の後を継がせるために。 田中は、リーダータイプだ、彼の下に付いた者は仕事をしやすい、そしてこの二人、携帯端末や、パソコンにかけてはずば抜けて優秀だ、だが二人で一つの所がある、だがそれでもいい、彼達に俺の今迄を預ける。 ―町田の野郎、こんな所でつながってる ―ろくなもんじゃないな そんな話をしている、頼もしいと思えるのは上司としての成果なんだなと思える。 「じゃあ、やくざが彼女に吹き込んでたから居場所がわかったってことですか?」 「そういう事になるな」 「部長」 「何のために?」 「金ずるだろうな」 「金ずるですか?」 「この写真を見てくれ」 探偵事務所から送られてきたもの、ちゃみが見つかった時点で契約は終了した、向こうが勝手に動いている。 手紙を広げる。 「何か受け取ってる」 「金かな」 「手紙には、麻薬がらみかもしれないと書いてある、もう少ししっかりした情報がほしいと言ってる、田中、そのデータもらってもいいかな」 「構わないけど、それじゃああの暴れっぷりは」 「たぶんそうだろうな」 「考えたくもないな」 「ちゃみは利用されていただけなのね?」 ポロポロと涙を流すちゃみ。由美ちゃんが隣で抱きかかえる。 「さあ、ここまでにしよう、せっかくの料理が冷めちまう」 久しぶりにちゃみの料理を食って飲んで騒いだ。
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