前日 放課後 教室にて

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授業も終わり今日は担任の先生が夏風邪で休みだったため他のクラスより少し早くホームルームが終わったので、アキラのクラスが終わるまで教室で待つことにした。 帰り支度も既に終わらせてある為、昼休みにアキラが言っていたこの町の噂話について調べてみることにした。 しかし、 「あれ?なかなか出てこないな」 10分くらいしか調べてないが全く掠りもしない検索結果しか出てこなかった。 『奥山町 噂話』という頭の悪そうな検索をしたのがいけなかったか?など思っている間にアキラが来た。 「いやー、悪い悪い」 言葉とは裏腹に顔は昼休みに別れた時と変わらぬ程笑っていた。 「ユリの奴長話し始めちまってな」 ユリとはアキラのクラスのクラス委員長の事だ。 クラスではその真面目過ぎる態度で恐れられている堺ユリカをあだ名で、しかも笑いながら話せるのは幼馴染みのアキラくらいだろう。 「あいつ高校入っていきなりクラス委員長に立候補してたからな。就任当初は長話する事が多かったが、最近はそうでもなかったのに。暑さにでもやられたか?」 アキラは笑いながら話していたが少し気になった様子だった。 「まぁ、休み明けには戻ってるだろ」っと、さっきまでの様子はどこに行ったのかと言うほど切り替えが早く、いつもの調子で笑いながら言った。 「さて、明日の予定でも決めますか!」 「へぇ?あっそうだったな」 半ば堺さんの話で忘れかけていた話題が出てきたので、少し反応が遅れて変な声が出てしまった。が、必死に笑って取り繕ってはみたがアキラには通用するはずもなく少し笑っていた。 「明日は学校の校門前に集合な」 「時間はそうだなー、夕方6時頃がいいな。大丈夫か?」 「おう!友達とカラオケにでも行って来るって言っておけば大丈夫だろ」 こういう時は親が放任主義で助かったと思う。 「おっ!そうか。なら決まりだな」 「ところで俺は気づいてしまったんだ。重大な問題に」 「ん?どうしたんだ?急用でも思い出したのか?」 「なぁ、よく考えてみろ。明日行くのは誰だ?」 「何言ってんだ?俺とお前だろ。暑さにやられたのはお前だろ」 「いいや俺は至って真面目だ!俺とお前ってことはだ!」 「明日男しか集まらないって事だ!」 「は?」 「だから誘いに行くぞ!女子を!」 「次いでにあいつの頭も冷やしに」 そう言うとアキラは足早にある教室に向かって行った。
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