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「おい!ちょっと待て。どこ向かってんだよ!」
「もう放課後になってから30分くらい経ってるから校舎内には殆ど人いないだろ!」
「まぁ、付いてくれば分かるから」
そう言うとアキラは階段を駆け上がって行った。
アキラがようやく足を止めたのは普段使われていない談話室の前だった。
「こ、ここに誰がいるんだよ?」
俺は荒い息を整えながら質問をした。
「驚くなよ。ここにあいつがいるから」
アキラの顔は不適な笑みを浮かべながらそう言った。
次の瞬間勢いよく扉を開き
「ユリーー、暇してんだろーー!!」
と談話室内に響き渡る声で入っていってしまった。
俺は呆気に捕らわれて入るのが遅れてしまった。
慌てて中に入ると
「アキラく~ん、久しぶり~」
アキラが知らない女子に抱きつかれていた。
「も~、入る時は普通に入って来てって言ったのに~」
その女子は先程の行為に対し驚いた様子もなく、ゆったりとした口調で話していた。
「いやー、悪い悪い。ユリ、いっつも奥の席にいるだろ。奥まで行くのはメンドイからこうして呼んだ方が効率的」
いつにもなくドヤ顔で語っていた。
「も~、私とユリちゃんの二人の時ならいいけど~、今日は他の部員もいるから、少しは加減してほしかったな~」
そのセリフを聞きある質問を思い出し、
「あのー、ここって一体何の部活をしてるんですか?」
あまりの慣れない雰囲気にアキラに対して丁寧な言葉使いになってしまった。
「あー、悪い悪い。確かに何も言わずに連れて来ちまったな」
「ここはオカルト研究部、通称オカ研って言うやつだ」
「え?」
その言葉を聞き教室の中を見渡したがここがオカ研?と思うほど綺麗だった。こう言うのも失礼かも知れないがオカ研はもっと暗いイメージが強かった。呪術に使われていそうな物など一つもなく、有るのは一人一台のパソコンだけだった。
それよりも、あの堺さんがここにいる事に対しての驚きの方が強く思わず堺さんのいる方に目がいってしまった。
「ん?気になったか?何でユリがここにいるか」
「それはな、」
そこまで言い出した所で奥から堺さんが出てきた。
「私に何の用事かしら木崎君?」
その言葉はいつもより高圧的だった。
「おっ、やっと出てきたか。」
「お前らこの話知ってるか?」
そんな堺さんの態度など気にする様子もなくアキラいつもと変わらぬ感じで、あの話をオカ研の人達に話し始めた。
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