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鎌田が右腕を突き上げ、手を広げると、球体が出現した。それを野球の投手のように振りかぶって、フェイリアー目掛けて思い切り投げつける。
「妖艶熱球体(セクシーボール)!」
「クダラン、ザコメ」
フェイリアーは鎌田の攻撃を右腕一本で弾き、鎌田に突進してきた。
「っ速い!!覇王のやつ、何がミステイカーよりちょっと強いよ!ケタが違うじゃない!」
フェイリアーの拳をまともに腹にくらった鎌田は大きく吹っ飛ばされ、ジャングルの大木に背中をぶつけた。鎌田の体はズルズルと力なくその場に座り込む形となった。
「ツマランゾ。コンナヤツラガゴウカクシテ、ナゼオレガフゴウカクナノダ」
鎌田を倒したフェイリアーは、戻りざまに気絶しているゼロを発見し、胸ぐらを掴んで片手で持ち上げた。
「キゼツシテイルノカ。ムイシキノナカデシネ!」
フェイリアーが大きく口を開け、ゼロの首に噛みつこうとした瞬間、大きな球体がフェイリアーの顔面に直撃し、その体をゼロから引き離した。
「ダレダ!?」
フェイリアーの視線の先には、白いオーラを纏った統司がいた。しかし黒かった髪の色は白くなっており、目は赤く光っている。明らかにさっきとは別人だった。
「誰だ……だと?司る者、統べる者、支配者・結城統司とは俺のことだ。それより俺の友に手をかけたのだ。生きて帰れると思うなよ?」
「ナマイキナクチヲキクナ!」
フェイリアーが狼のような雄叫びをあげると、ジャングルからミステイカーがゾロゾロと湧いてきた。
「……弾圧(ダンアツ)」
統司が呟くと、ミステイカー達が一斉に圧し潰された。
「ナン……ダト……」
「ほう……?キサマはなかなかやるらしいな。今のはザコを一掃するための技だったのだが」
「フザケルナ!」
フェイリアーは統司に飛びかかり、ひたすら打撃を繰り出した。しかし、どれだけ殴っても統司にダメージを与えることはなかった。
「気は済んだか?」
フェイリアーは統司に掴まれ、空中に投げ出された。しかしそこは身体能力が優れたフェイリアーだけに、空中で受け身をとる。
「何を安心している?キサマの死の運命は変わらんぞ?」
統司は右腕を突き上げ、手を広げている。そこには鎌田が使ったのと同様の球体があった。しかし球体の規模が違いすぎる。統司が作り出した球体は鎌田の3倍以上はある。
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