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「それがどうかしたのか?」
「どうかしたのか?じゃねーよ!俺のマニュアル見てみろよ!」
ゼロは半泣きの状態でページを開いて突きつけて来た。そこには大きな文字でこう記されていた。
『無能』
「…残念だったな」
「残念だったなじゃねーよ!何コレ!どんな能力だろうってわくわくしてたのに『無能』だよ!?入学試験に意味はあったのか!?」
「まぁ落ち着けよ。基本項目まで読んだのか?能力自体を知れば変わるかもしれないだろ」
ゼロがページをめくってみる。
ー能力属性・無能ー
①何の能力にも目覚めなかった者
②何かの間違いで残った者
③他者の能力の実験台となる者
④能力が潜伏状態であり、未知である者
「何も変わらねーよ!かろうじて④だったらいいなーってぐらいで他はヒドイ内容じゃねーか!仮に④だったとして、いつ目覚めんだ!」
「落ち着けよゼロ。メイドルの話だと、入学式までには全員目覚めるんだろう」
ゼロは溜息を吐いて、チラっと統司を見る。
「で、お前はどんな能力だったの?」
「爆発的に何かに目覚めたわけじゃないらしい。良く言えばオールマイティ、悪く言えば器用貧乏な能力だったよ」
「何だそりゃ。教えてくんねーの?ま、オールマイティってことは、どんな相手にも対応できるんだろ。良いよなまったく」
ゼロは自分のマニュアルを拾い上げると自分の部屋へと戻っていった。
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