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入学式前日、統司の部屋のドアを叩く音がする。
例のごとく開いてるぞと答える統司。
またマシンガンのごとき罵声を浴びるのかと思うと嫌になるが、今回は違った。
ドアをゆっくりと開き、ヨロヨロと力なくゼロが入ってきた。
「どうした?能力が目覚めなくて落ち込んでいるのか?」
「違うよ…。能力は目覚めたさ…。そう、目覚めたんだよ…」
ゼロがページを開いて、力なく統司の足元に投げる。パサっと開いたマニュアルに記されていたのは…。
ー能力属性・ツッコミー
①この世界になくてはならない力
②唯一無二の力
③戦闘面での活躍は皆無
「唯一無二の力だそうだ。よかったな」
「良くねーよ!なんだよツッコミって!③が正直すぎて絶望感ハンパねぇよ!」
「すごいなゼロ。学生寮なのに能力が発動してるじゃないか」
「能力じゃねぇよ!日常会話だアホか!結局得られるものなんてなかったじゃねーか!」
「そんなこともないだろ。マニュアルちゃんと見てみろよ」
ー能力者の共通事項ー
①各々に最適な能力に目覚める
②防御力はスキルレベルに比例する
「②が本当ならゼロはトップクラスの防御力を持ってるかもしれないぞ」
「統司…」
「ゼロからツッコミを取ったら何も残らないもんな」
「持ち上げてから突き落とすのやめてくんない?すげー傷つくやつだからねそれ」
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