身の危険

1/16
前へ
/42ページ
次へ

身の危険

 俺はあの日から翔和のマンションに住んでいた。 雄も、実家の家を売り払い3人で住み始めて、 向かいの開いていた部屋を雄が買い取り、社長室として使っていた。  そんなある日、俺のワガママで外食になった。3人で近くの店まで歩いていた時、翔和に誰かが声を掛けていた。何故か、俺をジロジロと見て、ニヤニヤ笑っていた。その顔が気持ち悪かった。話もせずに離れて、飯を食ったら忘れていた。    数日後、翔和の作ったウマイつまみを食いながら、飲んでいた。 この日は雄は仕事でいなかった。 「なぁ、竜希…ゴメン…」 「え?なに?」 「この間、道で会った奴覚えてる?ちょっと、困ってさ…やっぱり、いい…忘れて…」 言葉を濁す翔和にイライラした。 「なに?お前の為なら何でもしてやるよ」 「でもな…」 「ったく、何かあったらお前たちが助けてくれるんだろ?」 「ああ…もちろん。でも…」 「もう、いいって…何でもするから…」  簡単に引き受けてしまったのが、間違いだった… ちゃんと俺も、翔和も聞いておくべきだったんだ…。
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加