7人が本棚に入れています
本棚に追加
孤独
ずっと、寂しかった
暗闇の中いつも一人…寂しくて、怖くて…
誰にも必要とされない…俺なんていなくたって誰も困らない
いっそ死にたい…そう思う時もあった。
だけど、死んだら負けだ…負けたくない、その気持ちだけで生きていた。
俺、三神竜希には思い出と言う物が何もなかった。
物心ついたころには毎日机の前に座っていた。
幼いころから毎日、学校が終わると迎えが来て、家に先生が来て色んな習い事をされられていた。学校の行事も参加できず、もちろん友達なんて出来ない…楽しいことなど何もなかった。でも、それが普通なんだと思っていた。
毎日の様に会う先生たちは仕事をこなすと無表情で帰って行く。
母も、父の言いつけ通りに動くだけ…笑う事もなく、手料理すら食べた事もなかった。
皆、心のない機械だった。
でも、俺のせいで、その機械も壊れた…
俺はどんなに、教えてもらっても蛮人で、何一つ、いい成績は残せなかった。
先生たちは呆れ、母は怒り狂い、罵声を浴びせ、俺を叩いた…「役立たず、お前なんかいらない」…と、罵られた…
中学になってもそれは続いた。でも、俺の気持ちも変化していた。
小さい頃は俺が悪いからだと自分を責めて、母に好かれたくて、愛情が欲しくて頑張った。
中学に上がってからは、もう何も思わなくなった。母に対しての期待も希望も…捨てた。
逆に反発を覚えて、学校には通わず、好き勝手に遊び歩いた。ケンカで血まみれで家に帰っても、母は俺の心配より父の言いつけばかり気にしていた。
俺に殴り掛かる母を冷めた目で見ていた。この人に殴られてもなんともない。ただ、無視していた。そのうちに、諦めた様だった。姿すら見せなくなった…
最初のコメントを投稿しよう!