第1章一勝負いかがですか?

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『あのプレーは未経験者には出来るはずがない  ましてや、確証がないのに1000万も賭けるはずがない』 『ギャンブルの本質は狂気でしょ?この世で生きるには欠かせない  お金を、こんな遊びに賭けるんだもの  おかしくなっても、おかしくはない  だから私は狂ってみたの』 かわいらしい笑顔が憎い と同時に彼女の可能性に興味がわいた 『私の負け分を引いて、964万いただきますね』 『即金でよろしいですか?』 『いいえ、チップとしてキープしておいてください』 『えっ?!』 『今日はもう帰ります。』 『あっ、ありがとうございました』 卓から彼女が離れる 出口の方へ、静かに歩いていく 『あのっ、お名前は』 『〇〇〇よ』 そう言い残し、〇〇〇は店を後にした 『あの人は、探りがいがありそうだな』 『白さん・・・』 『素人相手に2千万近くの負け』 『すみませんでしたっ』 深々と頭を下げる 『いや、でも今回のは大目に見とくよ  もっとよく調べなきゃね』 『ありがとうござます』 白さんは、自分の持ち場へと戻っていく あの女から金を奪えるだけ奪って、借金を負わせ この店の奴隷にするはずだったのに 俺が負けたせいで・・・ 店の要望に応えられなかった 俺の失態はリーダーの白服さんの責任にもなる 迷惑をかけてしまった 最悪、俺はここを去らねければならないし そうなれば、もう生きていく場所がない・・・ 『あの女、次ぎ来たら確実に仕留めてやる』 初めて俺が、感情を持った
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