第2章 音楽のチカラ

2/11
46人が本棚に入れています
本棚に追加
/86ページ
心弾むピアノの奏で、曲は終わった。 あぁ、この感じ…達成感……。 音楽は、奏でる側にも良い刺激になるものがある。 「すごーい!」 そんな声と共に、パチパチパチと小さな拍手が美空に届けられる。 「ありがとうございました。」 演奏が終わったら、お辞儀をすることがが音楽の礼儀作法だ。 一際目立つ拍手と共に、片桐先生が再度、子供達の前に出る。 「いやぁ~先生、楽しくなっちゃった。みんなは、どうだったかな!?」 「楽しいっ!」 「もっと色んなのやってほしいなぁー。」 子供達は皆、美空の演奏を受け入れてくれた。 「この歌はね、あいさつの歌なの。色んな国の『おはよう』とか、『こんにちは』が入っていたのは分かったかな?」 美空が問う。 子供は純粋だ。思ったことをそのまま表現する。 「グッドモーニングって、おはよう、だよね!」 「ニーハオは中国の言葉!」 「みんな正解!たくさん勉強すれば、他の言葉も分かる様になるよ!そうしたら、もっと色んな楽しみもできるの。」 なんだか、教室の空気までもがキラキラしている。 私には、そう見える。 「やったわネ!」 と言うかの様に、右手の親指を立てたポーズをした片桐先生がこちらに視線を送る。 「この歌好きー。」 「明日も聴きたい!」 美空は片桐先生に「どうしましょうか?」 と目で問う。
/86ページ

最初のコメントを投稿しよう!