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「岡本先生は…、充分、力を尽くしたんだと思います。自分を責めたりしないで下さい。川守先生にも、少ないかもしれないですが、絶対なにかが、伝わっているはずです。『誰かは私のために。私は誰かのために。』そういうものなんです。姿かたちは見えなくても、気持ちは届いている…。私は、そう思いたいです。」
岡本先生の視線が、美空に向けられる。
「あの…蒼井先生…」
「はい…。」
「…俺の心も、癒してもらえますか…？」
「もちろんです。」
美空は笑顔で答えた。
「いや、あの…そうじゃなくて…」
岡本先生は動揺しているというか、なんというか…
「蒼井先生、意外と鈍感なんですね…。」
えっ？という顔をすると、岡本先生は、
「蒼井先生らしいです。話、聞いてくれてありがとうございました。」
「あ、いや、私が根掘り葉掘り聞いたようなものですから…。こちらこそ…ありがとうございました。」
なんか、顔がほてっているのを感じる。
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