第4章 川守一誠

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「川守先生、おはようございます。」 「おはようございます、先生。」 「…おはよう。」 あいさつが飛び交う小児科病棟の朝、ここはスタッフステーション。 看護師・医師が取り扱うカルテやコンピューターなど、必要なデータベースがそろっている場所だ。 朝のミーティングが終わる頃、いつもは何も聞こえないはずの場所から、なにやらイヤでも聞こえてくるものがある。 (騒がしいな…) あとで様子を見に行こう…。 そう思っていたが、看護師達の会話が聞こえてきた。 「今日から院内学級、新しい先生が来るらしいわよー。」 「私も聞いたわ。なんでも音楽の先生だとか。」 「へぇー、子供達喜びそうじゃない。」 (なんだって…) 心拍数が上がるのを感じた。
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