46人が本棚に入れています
本棚に追加
できれば、関与したくない…。
しかし、この目で確かめたいのも真実。
しばらくして、騒がしさがおさまったのを見計らって、院内学級 あじさい組を目指す。
あじさい組のある廊下を曲がると、見たことのあるヤツが一人と、全く知らない者が一人。
(今朝の問題人物はこちらだな)
勢いあまり、話していた二人の間に割って出た。
こっちが制圧するつもりだったが、不覚にも、痛い所をつかれた。
『心が不安定なのはあなたじゃないですか?』
…そうだ。…俺だ。
これでも、いつも感情をおもてに出さないようにしているつもりだった。
なのにあの蒼井とかいう新入りに…言われてしまった。
だから、さっさとその場を離れた。あれ以上、あの場にいても…時間の無駄だ。無理矢理そう思った。
(音楽…か…)
それもまた、心に引っかかった。
(キライ…だ…)
自分の気持ちにフタをする。
開けてはいけない、フタ。
…[あの頃]から、そうしている…。
そうすることで、自分を守ってきたんだから…。
だけどそのフタは、近い将来開いてしまいそうな気がして…
…怖かった。
…こんなの、初めてだ…。
最初のコメントを投稿しよう!