第5章 天使兼悪魔

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「かーわーもーりーせーんせーい?」 「またお前か。」 「考えごと?さっきからめずらしく、表情がくずれてるけど?」 からかい半分の看護師。 「別に、なんでもない。」 「ウソでしょ?この真央子様には分かるわよ。」 「どうでもいい。さっさと仕事に戻れ。」 「…せっかく優しく心の傷を癒そうとしているのに~。いつも言ってるでしょ?こんなに尽くせる人、そんなにいないと思うけどなぁー。」 「何度も言わせるな、いい加減…」 「はーい、スミマセンー。」 安達真央子(アダチ マオコ)。小児科の看護師。 もちろん狙うは玉の輿。 川守一誠は、今までの男の中で、一番難しいターゲット。未だに攻略できない。だからこそ、もっと気を引きたいし、私の方だけ向かせたい。そのためになら、毎日嫌な仕事だってこなす。周りの看護師とかは、私のこと、「魔性の女」とか「表裏激しい」とか言ってるけど、別にそんなの聞いて、一喜一憂してるヒマは無いから。
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